ETCパーソナルカードはお得?作り方から注意点まで徹底解説!
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「クレジットカードを持っていないけど、ETCカードを作りたい」
「クレジットカード無しで作れるETCカードってあるの?」
高速道路の料金所をスルーで通過することができ、休日・深夜・早朝には割引の特典もうけることができるETCカード。
多くの場合、ETCカードはクレジットカードの追加カードとして発行されていますので、前提としてクレジットカードの保有が必要となります。
しかし、中にはなんらかの理由でクレジットカードを作ることができない、と言う方もいらっしゃるでしょう。
そうした方でも、ETCカードの恩恵をうけることができるカードが「ETCパーソナルカード」です。
今回は、クレジットカードを持たない方でも保有することができるETCパーソナルカードを、作るべきか否か、徹底的に解説していきましょう。
目次
ETCパーソナルカードとは?
多くの場合、ETCカードを作成する際にはクレジットカードの追加カードとして発行されます。
前提としてクレジットカードの発行が必要となりますので、なんらかの理由でクレジットカードを作成することができない方にはETCカードを発行することができないのですね。
そうした方でも作ることができるETCカードが「ETCパーソナルカード」なのです。
ETCパーソナルカードは、各エリアの道路公団が共同で発行しているETC専用カードです。
ETCパーソナルカードの発行にはクレジットカードのような審査を必要としておらず、申込み要件を満たした方であれば誰でも発行することができるETCカードとなっています。
ETCパーソナルカードの利用にあたっては、あらかじめ一定額のデポジットを預けておくことが条件となっており、最低でも20,000円のデポジットが必要となります。
デポジットは、あくまでも保証金として預け入れるものとなっていますので、ETCパーソナルカードを解約する際にはデポジットは返却されます。
また、ETCパーソナルカードの利用にあたっては、年間税込1,234円の年会費が必要となります。
ETCパーソナルカードを利用することで、平日朝夕割引・休日割引と言ったETCの割引を利用することができるメリットがあります。
また、ETCマイレージサービスに登録することも可能となっていますので、ETCの利用でお得に還元をうけることも可能なのですね。
ETCパーソナルカードの作り方
ETCパーソナルカードはクレジットカードのような審査を必要としていませんので、申込要件を満たした方なら誰でも発行することができるETCカードとなっています。
原則として、ETCパーソナルカードは個人・法人の方であれば誰でも申込みをすることができます。
ただし、1回の利用申込みで発行することができるカード枚数は1枚のみとなっていますので、ビジネスユースでのETC利用には向いていないかも知れませんね。
また、ETCパーソナルカードは、16歳以上18歳未満の方でも、親権者の方の同意があれば発行することが可能です。
16歳以上の方で2輪のETCを利用する場合、クレジットカードを作成することができませんので、ETCパーソナルカードの発行はメリットがありますよね。
ETCパーソナルカードを申込みする際には、オンラインでの申込みは不可となっていますので、申込書を郵送して申込みをする必要があります。
ですので、申込みの前段階として、ETCパーソナルカードの申込書を手に入れる必要があります。
ETCパーソナルカードの申込書は高速道路のサービスエリア内のインフォメーション、またはETCパーソナルカード事務局に電話で申込みをすると、郵送で申込書を送ってもらうこともできます。
ETCパーソナルカード事務局:044-870-7333(平日9:00〜17:00まで受付)
ETCパーソナルカードの申込書に必要事項を記入したら、ETCパーソナルカード事務局宛てに申込書を郵送します。
ETCパーソナルカード事務局で申込書が確認されると、デポジットの払込用紙が返送されてきます。
郵便局・コンビニエンスストアなどで所定のデポジットを入金すると、ETCパーソナルカードの郵送の手続きが開始します。
デポジットの入金からカードが自宅に届くまで、約2週間程度の期間が必要となっていますので、払い込み用紙が届いた時点で速やかにデポジットの入金を済ませておくようにしましょう。
ETCパーソナルカードが届いたら、届いたその日からセットアップ済のETC車載器に挿入して利用することができます。
ETCパーソナルカードの支払い方法
ETCパーソナルカードの利用料金は、申込みの際に登録した銀行口座から1ヶ月分の利用料金が引き落としされます。
1ヶ月分の利用料金は利用料金のお知らせで通知され、所定の金融機関の引き落とし日に利用料金が引き落としされます。
口座引き落としされた金額分の領収書は、引き落としの翌月に発行されます。
また、ETCパーソナルカードの発行の翌月、ETCパーソナルカードの年会費税込1,234円が引き落としをされます。
ETCパーソナルカードの未決済残高が既に預け入れ済のデポジット金額の7割を超えると、増額デポジット20,000円が引き落としされます。
増額デポジットの引き落としは、未決済額がデポジットの7割に達した日以降の6日・または23日に引き落としされます。
口座振替によるデポジット増額は、デポジット金額が20,000円の方のみとなっていますので、デポジットが40,000円の方がデポジットの増額をする為には振込での入金が必要です。
デポジットが支払いに充当される訳ではない
ETCパーソナルカードを利用される方の中には、意外と勘違いをしている方も多いのですが、デポジットはあくまでも「保証金」となると言うことを理解しておかなければなりません。
中には、20,000円のデポジットを預けているから、10,000円の請求が来てもデポジットから支払いをされるだろうと思ってしまう方も居るかも知れません。
デポジットはあくまでもETCパーソナルカードを利用する際の保証金となりますので、毎月の請求分は支払い口座から引き落としがされます。
ただし、後払いのETC料金の未払い・延滞が続いてしまった場合にはデポジットから未払い金額が充当され、会員資格が取り消されてしまうケースもありますので注意が必要です。
ETCパーソナルカードのメリット
クレジットカードを持たない方でも、無審査で発行することができるETCカードがETCパーソナルカードです。
ここでは、ETCパーソナルカードを利用するにあたっての、メリットとなる部分を解説していきましょう。
親カードとなるクレジットカード不要でETCカードを利用できる
ETCパーソナルカードを利用する、最も大きなメリットになる部分がクレジットカード無しでETCカードのみを発行することができる点でしょう。
通常、クレジットカードを発行する際には、クレジットカードの追加カードとして発行されるケースが多くなっています。
クレジットカード機能付きクレジットカードの場合、ETCカードのみでの発行をすることができませんので、なんらかの理由でクレジットカードを作れない方の場合、ETCカードを作るのが難しくなってくるのですね。
ETCパーソナルカードは、クレジットカード機能の付いていないETC専用カードとなりますので、クレジットカードの審査に通らない方でもETCカードを発行することができます。
ですので、ETCカードを持てない方でも、ETCカードのメリットを享受できると言う点が、ETCパーソナルカードの最も大きなメリットとなっているのですね。
ETC割引などの特典を受けることができる
ETCパーソナルカードの大きなメリットとなっている部分が、クレジットカードを作ることができない方でもETC割引のメリットをうけることができる点です。
事前登録不要で利用できる割引が、
深夜割引:全日0時〜4時 30%オフ
休日割引:地方都市区間で土日祝日 30%オフ
このように、ETC料金を30%割引される特典をうけることができます。
ETCパーソナルカードの利用には、年会費税込1,234円が必要になりますが、割引をうけることができる時間帯に4,000円以上高速道路を利用される方は、年会費の元が取れるのですね。
ETCマイレージサービスでお得に還元
ETCパーソナルカードでは、各エリアの道路公団が提供するETCマイレージサービスに登録することができます。
ETCマイレージサービスでは、通行料金10円ごとに1ポイントのETCマイレージを貯めることが可能となっており、5,000ポイントで5,000円分のETC料金が還元されます。
高速道路料金の10%がポイント還元されることになりますので、頻繁に高速道路を利用する方には非常に大きなサービスとなりますよね。
また、通勤などで毎日高速道路を利用するという方も中にはいるのではないでしょうか。
ETCマイレージサービスでは、地方都市部の高速道路をお使いの方に、平日朝夕割引が利用できる特典があります。
平日朝夕割引では、土日祝日を除く平日の、朝6時〜9時または夕方17時〜20時の時間のETC料金が最大で50%還元される特典があります。
平日朝夕割引の適用には条件があり、同一の時間帯につき5回以上の高速道路の利用があった方が対象となります。
毎日通勤に高速道路を利用している方にとっては、非常に大きなメリットとなりますよね。
ETCマイレージサービスへの登録は、年会費・登録手数料無料で登録をすることができます。
ETCマイレージサービスに登録する際には、
ETCパーソナルカードの番号
セットアップ済のETC車載器の登録番号
の2点が必要になりますので、申込みの際にはETC車載器のセットアップ証の控えを手元に用意しておくとスムーズです。
ETCパーソナルカードのデメリット
クレジットカードを作れない方でも、ETCの恩恵を受けることができるETCパーソナルカード。
しかし、ETC専用カードであるETCパーソナルカードには、やはり多少の制限があるのは致し方ない点となっています。
ここでは、ETCパーソナルカードを利用する際のデメリットとなる部分を解説していきましょう。
デポジットを預ける必要がある
ETCパーソナルカードの最も大きなデメリットとなる点は、やはり一定額のデポジットが必要となる点でしょう。
ETCパーソナルカードを初回申込みする際には、20,000円のデポジットが必要となります。
デポジットはETCパーソナルカードの保証金となりますので、ETCパーソナルカードを解約する際には返金されるものです。
しかし、ETCパーソナルカードを利用し続ける限り、デポジットは預け入れておかなくてはならないので、負担になることは間違いありません。
また、デポジットは20,000円だけ入れておけば良い、と言う訳ではありません。
デポジットの金額は、平均の利用金額の4か月分と定められており、毎月の利用金額に応じてデポジットを増額する必要があります。
特に、初期設定の20,000円のデポジットの方の場合、未払いの利用料金が14,000円を超えた段階で追加のデポジット20,000円が口座から振替されます。
利用金額が14,000円を超えた翌日以降の6日・または23日に20,000円のデポジットが引き落としされますので、余裕を持って口座に入金しておく必要が有るのですね。
ETCパーソナルカードの利用にあたっては、デポジットの扱いは非常に厳格なものになっています。
デポジットの増額の通知が来てもデポジットを入金していない場合、ETCパーソナルカードの利用が停止してしまうこともあるのですね。
年会費の負担が大きい
ETCパーソナルカードの年会費は税込1,234円となっており、ETCの機能しか持たないカードとしては少々高額になっています。
クレジットカード機能付きETCカードの場合、ETCカードの年会費は無料であったり、500円であったりするのに対し、やはり年会費の負担は大きくなってしまいます。
クレジットカード機能付きETCカードの場合、クレジットカードのショッピングの手数料などで利益をあげられるので、ETCカードの追加はサービスの一環と言う意味合いもあるのですね。
ETCパーソナルカードの年会費は1,357円(税込)になっていますが、ETC割引・ETCマイレージサービスを利用できるメリットがあります。
自分の高速道路の利用状況を考えて、年会費をペイするだけの価値があるかを考えてから申込みをした方が良いかも知れませんね。
通常のお買い物には利用することが出来ない
ETCパーソナルカードは、ETC専用カードとなっていますので、当然のことではありますが通常のショッピングには利用することができません。
また、通常のクレジットカードと同じように、利用金額に応じたポイントを貯めることも出来なくなっているのですね。
ETCパーソナルカードをETCマイレージサービスに登録すれば、10%の還元率でETCマイレージを貯めることができます。
しかし、クレジットカード機能付きETCカードの場合、ETCマイレージの還元に加えて、クレジットカードのポイントを同時に貯めることができるのです。
同じ金額を利用したとしても、クレジットカード機能付きETCカードよりもポイント還元のメリットは少なくなってしまうのですね。
ETCパーソナルカードを利用する際の注意点
審査を必要としないETCパーソナルカードの利用には、若干の制限が掛かってしまいます。
中には、知っておかないと慌ててしまうような注意点もありますので、ETCパーソナルカードの利用の前には注意点を押さえておく必要があります。
未払いの料金が多くなると、カードが停止してしまう
ETCパーソナルカードの利用には、平均の利用金額の4か月分のデポジットを預け入れておく必要があります。
しかし、旅行の際など、毎月の平均的な利用金額よりも極端に多く高速道路を利用するケースもあるでしょう。
そうした場合に、ETCパーソナルカードが突然利用停止になってしまう場合がありますので、注意が必要です。
ETCパーソナルカードが利用停止してしまうケースとしては、
未払い金額の合計がデポジットの8割を超えた場合
利用金額の引き落としができなかった場合
デポジットの増額に応じなかった場合
利用料金の未払い、デポジットの増額に応じなかった場合は自己責任であるといえますが、問題は未払い金額がデポジットの8割を超えた場合です。
たとえば、20,000円のデポジットを預けている状態で16,000円以上の未払い金額が発生してしまうと、ETCパーソナルカードの利用が停止してしまうのですね。
利用が停止してしまった場合は、ETCレーンを通過することができませんので、現金などで高速料金を支払う必要が有ります。
ですので、毎月の平均的な利用金額よりも多く高速道路を利用する際には注意が必要になってくるのです。
ETCパーソナルカードはこんな人におすすめ
今回は、各エリアの道路公団が共同して発行するETCパーソナルカードをご紹介してきました。
ETCパーソナルカードは、
高速道路を良く利用する方
クレジットカードを作ることができない方
クレジットカードの枚数を増やしたくない方
このような方には非常におすすめできるカードとなっています。
ETCパーソナルカードは、原則として無審査で誰にでも作る事ができるETC専用カードとなっています。
ETCパーソナルカードではETC割引・ETCマイレージサービスを利用できますので、日常的に高速道路を利用する方にとっては、非常にメリットの多いカードとなっています。
混み合った一般レーンに並ぶ必要が無い、と言うだけでもETCカードのメリットは非常に大きなものになりますよね。